金曜日, 9月 08, 2006

Sc3:Sdm


SuperCollider3の音が素晴らしい。
サイン波を聞いていても気持ちが良いです。
触っていても楽しいし、チュートリアルも素晴らしく親切で、
小学校の授業で必修科目になれば良いのに。
小学校3年、4年、5年は週に3時間SCの授業があって、
教室の巨大なスピーカーをクラス全員で鳴らします。
調和を目指す人、フックを作る人、混沌とノイズをもたらす人、
それぞれの生徒の嗜好が見えて面白いです。

6年生では週6時間に増えます。
ここでは各クラスに一人指揮者を任命し、
指揮者にはルールを定める事が求められます。
コーディングレベルで細かいルールを定めるコミュニスト、
他の生徒の評価に従い発音の音量を決定する
といったレピュテーション・モデルなフレームワークをデザインするワイズガイ、
パッチ中に決まった変数を入れる事を求め、
変数の値については別の生徒に決定させる
エージェントゲーミング的なアプローチをするゲームズ・マン、
システム・リアリティとでも言うのでしょうか、
彼らは学び、リアリティを変容させ、明日を作れ!

月曜日, 9月 04, 2006

Sc3;Cs5


金曜日の夜から先程まで、
延々とSuperCollider3とCsound5を触っていました。
その結果なにが分かったかと言うと、
「音声信号処理言語にはそれぞれはっきりとした哲学があるんだな。」
という言わばあったり前の事でした。
これに以前から使っているMax/Msp4.5を加えて見ると
尚更にはっきりとそれぞれの哲学が浮き上がります。

Csoundは時間軸上にイベントを並べるScoreというスキームを用いており、
これがイベント(トリガー)とシグナルプロセッシングを明確に分割します。
この為再帰的プログラミングは行い難いが、
時間軸上に発音をコントロールしやすい。

他方SuperColliderはSmallTalkに類似しており
信号処理のオブジェクトが一次元で相互干渉しあうフラットな構造をしている。
この為イベント、プロセッシングという区分が存在せず
再帰的なプログラミングにより
信号処理の自律系を作成する事が非常にやりやすい。

最後にMax/Mspはというと、
これまたSallTalkと非常に似通っています。
しかし、SuperColliderとMax/MspはUI及び操作方法に違いがあり
パッチ結線によってオブジェクト間のI/Oを記述するという
Max/Mspの方法は、
マルチスレッド処理や処理の抽象化において制限があるものの
その直感的なプログラミングはプログラミング活動を行う
私のバランスを変えてくれるという素晴らしさがある。

コーディングも習熟すると特にコーディング行為を意識せず
作成(作曲)を行う事ができるようになるのだろうけれど、
その時にも、操作方法、UIは行為を強く特徴付けるだろうと考えてしまう。
身体はアヴェイラビリティの高低にのみガイドされ、
精神はアクセサビリティの高低にのみガイドされ、
低きから高きへ。
かつて荘子は「高きから低きへ水のように」と言っていたが、
海から這い上がったモノの子孫として、
自ら太道を遡るのだろうか。